日本の歴史をひもとくと、時代を貫くひとりのキーマンの存在に気づく。それが「将軍」である。 将軍は、およそ700年間続いた「武士の時代」において、天皇を凌駕する存在であり、日本の歴史そのもの、といってよい。 本書は約700年にわたって日本の歴史の頂点に立った将軍たちにスポットを当てたものである。
武士の棟梁といわれ、将軍といえば教科書でも習う頼朝や家康といった偉大な面々を頭に浮かべがちだが、実のところ、「できない」将軍の方がはるかに多かった。 政治に関心がない、男色に溺れる、敵前逃亡するなど、驚くべきエピソードをもつ将軍たちが数多くおり、その姿は意外に人間くさい。 ちなみに、昨今のNHK大河ドラマは将軍がメインキャラクターになっている。 昨年の『麒麟がくる』では足利13代将軍の義輝(演者は向井理氏)・15代将軍の義昭(同・滝藤賢一氏)、 現在放映中の「青天を衝け」では徳川15代将軍の慶喜(同・草彅剛氏)が毎週出ずっぱりで主役を食う人気っぷりだ。 さらに来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では鎌倉初代将軍の源頼朝(同・大泉洋氏)、2023年の大河ドラマの主人公は徳川家康(同・松本潤氏)と、 今後もNHKの大河ドラマで将軍たちの活躍が続き、本テーマについて読者の関心は増すばかりである。 本書を読めば、歴代将軍48人の知識が身につき、さらにドラマを楽しむことができる。
■序 章 将軍を知るための予備知識
■第一章 【鎌倉幕府篇】源氏将軍の正体
初代・源頼朝 二代・頼家 三代・実朝 四代将軍・藤原頼経 五代・頼嗣 六代・宗尊親王 七代・惟康親王 八代・久明親王 九代・守邦親王
■第二章 【室町幕府篇】足利将軍の正体 其ノ一
初代・足利尊氏 二代・義詮 三代・義満 四代・義持 五代・義量
■第三章 【室町幕府篇】足利将軍の正体 其ノ二
六代・義教 七代・義勝 八代・義政 九代・義尚 八代夫人・日野富子 十代・義材 十一代・義澄 十代・義稙 十二代・義晴 十三代・義輝 十四代・義栄 十五代・義昭
■第四章 【江戸幕府篇】徳川将軍の正体 其ノ一
初代・徳川家康 二代・秀忠 三代・家光 四代・家綱 五代・綱吉
■第五章 【江戸幕府篇】徳川将軍の正体 其ノ二
六代・家宣 七代・家継 八代・吉宗 九代・家重 十代・家治 十一代・家斉
■第六章 【江戸幕府篇】徳川将軍の正体 其ノ三
十二代・家慶 十三代・家定 十四代・家茂 十五代・慶喜
■コラム 将軍になった? なれた? 二人の御曹司/将軍だった後醍醐ブラザース/戦国乱世の将軍候補者/徳川将軍になり損ねた殿様連中壱/徳川将軍になり損ねた殿様連中弐「/最後の将軍」の候補者たち