連載記事◆榎本秋が再発見 文化遺産を活用して地域を盛り上げる方法
『地元の祭り・神事・伝統行事のルーツを伝承していくには』
榎本秋と榎本事務所がこれまでお取組みさせていただいた事例を基に
様々な地域おこしについてご紹介します。
E県のF地域で、地元に古くから続く祭りを担当する方からのご相談でした。ひとつめは、地域の若い世代や移住者に祭りにもっと参加してもらうにはどうしたら良いか。もうひとつは、せっかくの祭りなので観光資源としての注目度を上げて、地元以外の人たちを地域に集客できないかということでした。
地域の若い世代・移住者に参加してもらうことも、集客する場合も、参加の仕方をわかりやすく具体的にして参加のハードルを下げるように提案しました。
フリーペーパーやHPでわかりやすく、文章と図版で説明することも効果的です。
旅行や歴史に関わらず、普段わたしたちが行動する理由にはなにかしらの知見やきっかけが発生していますよね。
食事する店を選ぶ時の口コミや、他人づての評判などもその一つです。無意識になにかしら見聞きしたことが行動理由になることが多くあります。
ただ、「祭りがあるから来てください」では行動理由としてはやや弱い。
この2つが明確になり、わかりやすくそれが伝わることが参加者の増加・集客につながるのです。
祭りに積極的に参加しようとしても「どう参加していいのかわからない」「どこに行ったら参加できるのかわからない」という声はでていないでしょうか。この「わからない」に着目してみてください。
具体的に、どのように参加ができるのかを明確にすることも参加のハードルを下げる重要なポイントとなります。
愛知県国府宮市の「国府宮はだか祭」(儺追神事(なおいしんじ))では、古くから祭りの全日を通し男性のみの参加だったのですが、今年から「儺追笹(なおいざさ)奉納」に女性が参加できるようになったことがニュースとしても話題になっていました。
奈良時代から続く神事ですが、これまで参加していなかった層が「明確に」参加できるようになりさらなる盛り上がりやその地元の地域独自の郷土愛形成につながっていくことでしょう。
古くからの祭りを伝承していくことは、地域の課題になっていくことかと思います。
文献など史料として残っていれば良いのですが、その祭りの由来や意味を知っているのが人頼り・口伝えのみでは失われてしまい、伝承する人がいなくなれば祭りそのものも消えていってしまうでしょう。
若い世代の参加・観光集客のきっかけとしてもお祭りはとても良い地域の宝です。ぜひ、誰が見ても伝わるような文章・図版などでのビジュアル化やコンテンツ化を検討してみることをおすすめします。
自治体や企業のみなさま、気になっている歴史にまつわる地域の歴史・地域活性化につながりそうな歴地があるものが周囲にありましたら
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